くそったれ

先を越された。そいつは最高の形でゴールテープを切った。それは僕にとって最悪の出来事だ。もう追い抜くことは出来やしない。ヤツはもうゴールしてしまったのだから。激しい焦燥感が僕を苛み、苛立ちだけが募っていく。すぐに、追いつくことは出来る。僕もゴールに辿り着けばばいいのだ。いたるところにゴールはある。しかし、そのゴールに行くのは妥協だ。ヤツはヤツにとって最高のゴールについた。僕の求めるゴールとは違う場所だ。僕の求めるゴールはまだ先だ。先にあるものが、良いわけではなく、近いものが良いわけでもない。僕は必ず自分の欲するゴールに辿り着いてみせる。