パンは凶器となり得るか

僕はパンのおかげで血まみれになった。本当だ。そのパンの表面はパリッと仕上がり、中はレーズンのほのかな甘みと胡桃による森の香りが、食欲をそそるとても旨いパンだった。僕は誘われるままにパンを貪り食った。しかし、表面のパリッとが焼きすぎのためかバリッとになっている部分があり、其処に勢いよく齧り付くと、パンの外殻が僕の口の中を血まみれにした。

パンとは げに 恐ろしきものなり