西尾維新 - クビキリサイクル

孤島に住む、尋常じゃないほどの金持ち。
どんなスタイルの絵も書きこなす天才画家。
どんな料理でも、誰よりうまく作る料理人。
天才育成システムの中のさらなる天才。
他人の思考を読み未来を観る占い師。
世界を操るスーパーハカー。
三つ子のメイド。
万能人。


ざっと、登場人物の特徴を書いてみた。
オタク向けの非常に幼稚な設定だ。


しかし、これが面白い。この異端で幼稚な設定のキャラをものの見事に操り、破綻させること無く、極上のミステリに仕上げている。なおかつ随所に見られる戯言、言葉遊び、概念の定義も非常に面白い。
そして、僕が一番気に入ったところが主人公の「僕」である。この「僕」は僕に似通った部分があり、非常に共感でき、物語にのめり込めた。
天才の為り損ない。エリートの堕ちこぼれ。大嘘吐き。無気力。無関心。凡人。異端。強情。孤独。etc・・・
いわばオタクなら誰もが自分と少し似ているのではないか。と、思えるようなキャラであると思う。


ミステリとしても面白く、一般人にもお薦め出来る。
オタクであるならなおさらである。


追記:もしこんなオタク臭いのは駄目だとか、本格ミステリが良いって人は「すべてがFになる」をお薦めします。*1

*1:ぶっちゃけパクリとは言わないまでもかなり似てる