説明会の説明

昨日とある説明会なるものに、説明を聞きに行った。席に着きしばらくすると一人の中年の男性が話し始めた。
「最近の日本は狂っとる!」
おかしいな。僕は説明を聞きに来たはずなのに、男性は日本が如何に狂っているかという事を熱弁し始めた。
僕は目的として来た説明が始まるのを辛抱強く待ち、ついに開始から30分が経過した。
「最近の日本は本当におかしい!」
おかしいのは、あなたの方ではないのかな。30分話し続けた挙句ふりだしに戻った男性の話に、僕は心を閉ざした。しかし、僕の耳には30分前に聞いたはずの内容が、延々と捩じ込まれ続けた。男性の隣に座っていたお手伝いの女性の目蓋は、とうの昔に閉じている。
結局僕は2時間に渡り、最近の日本が如何に狂っているかを説明された。当初予定されていたはずの説明は、関係の無い話の間に5分程度挟まれた。
しかし、男性が話していた内容は確かに感じた。普通なら、こんな講演は野次が飛び、場合によっては軽い暴動が起きてもよい筈の内容だったにも関わらず、皆静かに寝ていたからだ。