皇国の守護者1−反逆の戦場−

小説の方の第一巻を読んだ。僕の偏見の一つに大抵のものは原作が一番面白いというものがある。漫画の原作があるとして、それをアニメ化やドラマ化した場合大体面白くなくなる。しかし、皇国の守護者はその偏見の例外に当たった。原作(小説)がつまらないというのではなく、小説も漫画も面白いのだ。
大筋のストーリーなどは同じだが、はっきり言って別物と考えても良いぐらい作風が違う。小説で描かれているのは本物の戦争だ。重要だと思われる人物が何の見せ場も無く呆気無く散っていく。そこには英雄も居なければ美談も無い。在るのは殺伐とした戦争だ。
漫画の方は良い意味でエンターテイメント化されている。ストーリーの細かな部分を追加変更し、わかりやすくドラマチックにしている。死ぬ人物に見せ場を与え、感情移入させてから殺す。「戦争で最初に犠牲になるのは真実だ」なんて言葉を何処かで聞いたが、小説の方をリアル(真実)とするならば、漫画の方はまさにそれだろう。三国志(歴史)と三国志演義(物語)の関係だ。
片方しか読んでない人は、両方読んでみるとさらに面白くなると思います。