多重人格探偵サイコを久しぶりに読みかえした。

多重人格探偵サイコと言えば多くの人は漫画のサイコを思い浮かべがちだと思う。しかし、僕が好きなのは大塚英志の書く小説の方だ。
漫画のサイコは過激な残虐シーンの描写で有名だ。しかし、多重人格や精神異常モノで重要なのは残虐シーンの描写などではなく、其処に至るまでの精神の崩壊の過程や、その行動を行っているときの心情の動きなどの内面の描写だと思う。無論、内面の描写という面において、映像や漫画より文章の方が優れているということは言うまでもない。
また、漫画の方ではその過激な残虐シーンの描写のためリアリティに欠けるが、大塚英志は巧みな文章でそれを感じさせない。それどころか、馬鹿な中学生なら信じてしまいかねない程だと思う。
但し、小説版は加筆修正の繰り返しばかりで、続きが出ないのが難点だ。
商売主義っぽいところも嫌。