ラクガキストの戯言

芸術というものは現実の模倣、存在の代行を目指して始められた。キャンバスの中に現実を描こうとし、物体を加工し存在の代行を作ろうとする。しかし、所詮それらは幾ら現実に近かろうとも、圧倒的なまでに紛い物であり現実には遠く及ばない。輝きは無く、匂いもせず、暖かさは造れない。この現実に芸術家は苦悩し、絶望する。
そして、新しい境地に辿り着く。模倣し、代行を目指しても現実には到底かなわない。ならば、ならば模倣も代行も目指すことなく、現実には有り得ない新しいものを創れば良い。現実を模倣するどころか、視覚を無視し、概念だけを描き、感覚だけで創られた。しかし、それは一部の人々を完膚なきまでに魅了し、完全なまでに虜にした。例え大多数の人に通じることがなくとも。


こう考えるとアニメや漫画絵というものは非常に崇高な芸術ではないのだろうか。
そして、アニメや漫画絵は現実を模倣すればいいというものではない。*1

*1:リアルなのもいいけどさ