五月十九日を記念日とするためのその1

最悪の事態だ。未曾有の事態だ。僕の属する研究室に一人の女が入ってきたのである。たったそれだけの事に十人を超える男達は無様に慌てふためき、その女が僕らのシマを蹂躙する様を唯黙って見ていることしか出来なかったのだ。ヤツは僕らの研究室で略奪と殺戮の限りを尽くしていった。
しかし、僕らの心はまだ折れていない。心は奪われていないし、心は死んでいない。体制は屈したように見えても、心は屈していないのだ。僕らは反撃の機会を虎視眈々と水面下で狙っている。反撃の狼煙は五月十九日の新歓コンパだ。初日こそは不意を討たれ甘んじて受ける結果になったが今度は違う。徹底的にヤツに思い知らせてやる。


お前にゴスロリファッションは似合わないと言うことを!