ミニ四駆の話

僕が子どもの頃、ミニ四駆が流行った。僕も欲しかったのだが、当時のおこづかいなるものが300円であった為、それを手にいれるのは相当な困難を極めた。結局、僕は2〜3ヶ月に渡り全ての物欲を我慢し、ようやくミニ四駆を手にいれた。アバンテJrというマシンだった。僕は早速組み立て、走らせて遊んだ。アバンテは僕より早く走った。
僕は意気揚々とコースを持っている友達の家に遊びに行き、友達のマシンと一緒に僕のアバンテを走らせた。友達のマシンはとても速く、僕のアバンテをぶっちぎりで抜き去っていった。
モーターが違がった。
タイヤが違った。
ギアが違った。
ホイールが違った。
友達のマシンは徹底的に改造してあったのだ。
アバンテだって、改造すれば速いのだ。でも、それは出来なかった。
圧倒的に財力が違った。
悔しかった。
それでも、アバンテは1番だと思った。
結局、僕はアバンテがどうなったかは覚えてないが、ヤツを少しも改造しなかったことだけは覚えている。


それだけの話。